細かいデザインのプリント実績画像のご紹介
2020.07.27
今回は、スクラブに入れた細かいデザインをシルクスクリーンでプリントした場合の再現性のご紹介です。
下の画像は札幌医科大学様で、天地8㎝で袖にプリントしたものです。
SAPPORO MEDICAL UNIVERSITYの文字が抜きなのでつぶれ易いのですが、何とか再現できました!!
参考までに「SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY」の文字サイズは高さ約3㎜、文字の線の太さは約0.8㎜となっています。
抜きの場合の線の太さの限界で、それより細いとくっ付いて潰れてしまいます。
特に濃色(ネイビーなど)の生地にホワイトのプリントの場合は、生地の色にインクの白が負けないように、2~3度インクを重ねて刷ります。
そのため、重ねる分どうしても実際よりも若干太くなり潰れやすくなります。
下の画像は浜松医科大学様で天地12㎝サイズでシルクプリントで、袖に入れました。
各病院のマークが6つありますが、その中の右上のマークの細い線はかなりきれいに表現できました。
スクラブへのプリントは一般的に水性ラバーインクを使用します。
水性インクはシルクスクリーンの版のメッシュが粗めのため、細かい表現に限界があります。
その限界値とご理解いただくために今回このようなプリント画像を掲載してみました。
ちなみ油性ラバーインクはメッシュが細かいので細かい表現のプリントの向いています。
蛇足になりますが、どうしてスクラブは水性のインクを使用するのかということですが、
理由は以下の通りです。
スクラブはポリエステル素材が50%以上の割合で含まれた生地がほとんどで、最近ではポリエステル100%の生地が主流になっているだからです。
このことを聞いても普通の方にはピンと来ないと思いますので、
さらに詳しく生地とインクの関係について説明します。
水性ラバーインクは自然乾燥または低温でもインクが乾燥し、生地に固着します。
油性ラバーインクは一部のインクを除いては高温をかけないと固着しません。
熱をかけることで何が起こるかというと【ブリード(昇華)】という現象です。
ブリード(昇華)とは
ポリエステルの染料が熱によって気化してインクに影響することで変色することです。
特にホワイトは生地の染料の色によって大きく影響されます。
ネイビーの生地であれば、ホワイトのインクがブルー系に変色するということです。
プリントでどこまで細かいデザインが再現できるか参考になりましたか?