小説 泣くな研修医
2020.07.24
小説「泣くな研修医」のご紹介
幻冬舎新書
著者:中山 祐次郎氏
弊社アルファユニは、本当に多くの医師や研修医のお客様から、スクラブ製作のご依頼をいただいていますので、
その仕事柄、医療系のドラマはいろいろと見てきましたが、今回は小説「泣くな研修医」を読みましたので、ご紹介します。
朝日新聞の広告で本の存在を知りました。
「現役外科医が圧倒的なリアリティで描く感動作」というコピーを目にして、
研修医の現場に興味を持っていましたので、さっそく購入し、読んでみたのでブロブで紹介いたします。
本で紹介されていた著者の経歴から、中山祐次郎先生は、鹿児島大学医学部を卒業後、現在は総合南東北病院の外科医長で、現役の医師であることを知りました。
総合南東北病院様から毎年コンスタントにスクラブの製作のご依頼をいただいておりますし、
鹿児島大学医学部や鹿児島大学医学部附属病院様からもオリジナルスクラブ製作の製作を何度か依頼いていただいたことがありましたので大変に身近に感じました。
物語の主人公は1年目の初期研修医、鹿児島の大学卒業後の初期研修として都内に就職します。
現場では様々な傷病のが患者に対して治療を行いますが、研修医であっても救急の当直勤務があり、
医師である以上、経験がなくても知らないことであっても、救急患者が次から次へと来ますので否応なしに対応を迫られます。
交通事故で瀕死の状態で運ばれてくる子供の救急患者。90歳を過ぎた生活保護を受けている老人のガン患者。
自分と同年の末期がん患者の緩和ケア。など
主人公は医師としての強い使命感と純粋に患者を何とか良くしたいという熱いハートを持っているのですが、
技術や経験の少なさから、先輩や上司の外科医に常に頼らざるを得ません。
気持ちだけでは適切な処置ができず、真面目さが故に連日病院に寝泊まりし、疲労困憊の毎日が続きます。
それでもいつも現場では叱られてばかり、葛藤し空回りする主人公。
物語の中で、先輩女性医師が言った「あのさ。『確か』とかやめてくんないかな。人の命かかってんだけど。」という言葉を
主人公は噛みしめます。大変印象に残った言葉でした。
物語の最後の方で、担当していた患者のの命を救うことができたことで、少しずつ医師として自覚と自信を持てるようになり、成長していきます。
著者のご経験から書かれた物語なのだと思いましたが、研修医の経験がその後の医師としての考え方や生き方に大きな影響を与えてるような気がしました。
オペシーンは、リアルでかつ細かく描写されていますし、先輩女性医師の言葉やアドバイスも詳細に
書かれています。また、医療現場の専門用語がたくさん出るのも大変興味深かく感じました。
研修医は初期研修2年、後期研修4年、合計6年の研修を経て医師になるとはなんとなく理解をしていました。
弊社アルファユニも、研修医の先生から多くのスクラブ製作を依頼を受け、研修医のチームスクラブを製作させていただいております。「JUNIOR RESIDENT」という文字が入ったデザインを多く作ってきましたが、
シニア(後期)レジデントとジュニア(初期)レジデントが同じ研修医でも全く研修の性質が違うものなのだと小説を読んで
初めて知りました。
主人公の先輩女性医師は後期の研修医という設定でしたが、スキルも経験も豊富に携えていて、執刀医としてオペも任せられている姿が印象的でした。
それと小説を読んで強く感じたことは、医療現場、特に救急医療に携わっている医師の激務、過酷な現実です。
小説では現場がリアルに描写されていて、人の命を救急現場の厳しさや、特殊な背景と疾患を持った色々な患者への対応、長時間の及ぶ医師の厳しい労働環境。
特に今年の新型コロナウィルス感染拡大を受け、医療現場は、さらに過酷な状況であったことが想像できます。
弊社アルファユニとしては、そのような厳しい現実の中で働く人たちに少しでも気持ちが高まるデザイン、手に取ったときに感動していただける仕上がり、お気に入りの1枚となるオリジナルスクラブの製作にさらに力を入れて頑張っていきたいと思っておりますので、引き続き宜しくお願い致します。