似ているけど違う ナイロン素材とポリエステル素材 徹底比較!
2023.12.20
化学繊維(合成繊維)であり、皆さんの生活の中で色々な形で製品となって使われている素材「ポリエステル」と「ナイロン」についてまとめました。
ポリエステル素材は、弊社で主となる販売製品のスクラブやドクターコートなどのメディカルウェア、ドライTシャツ・ポロシャツなどのスポーツ向け、防寒ブルゾンや作業服などユニフォーム向けウェアに多く使用されています。
ナイロン素材はもともとアウター類に使われることが多かったのですが、最近ではポリエステルに取って替わられることが多くアウターでもポリエステル素材を使用しているものが増えています。
そのような中でポリエステルとナイロンの比較をすることで、今一度ナイロン素材の良さ(特性やメリット)についてもご紹介していきたいと思いブログにまとめました。
ナイロンとポリエステル、各素材の特徴と比較
両者とも石油由来の化学物質から作られる合成繊維であり、異なる特性や用途を持っています。
ナイロンはポリアミドとよばれる樹脂素材(合成樹脂)から作られています。耐久性があり、強靭で伸縮性が高いのが特長です。
ポリエステルはテレフタル酸とエチレングリコールを使って作られることが一般的です。原料が化学的なプロセスを経てポリエステルポリマーとなり、繊維や樹脂などの形態で様々な用途に利用されています。
それでは早速、それぞれの素材の違いについてポイントごとに比較してみましょう。
軽さ
綿と比べるとナイロン、ポリエステルともに軽いですが、厳密な数値的にはナイロンの方が軽いというデータが出ています。
そのため、大型の登山用リュックなどにはナイロンを使用されることが多くなっています。
【勝者:ナイロン】
強度(引っ張り・引き裂きに対する強さ)
- ナイロン:一般的に強靭であり引き裂きに対しての強さが高い特性を持ちますが、湿気の影響を受けやすいです。通常は強力な弾性を持ちます。
防弾チョッキに使われているCORDURAもナイロン素材です。 - ポリエステル:高い強度を持ちますが、一般的にはナイロンよりも少し弾力性や柔軟性が低くなります。
【勝者:ナイロン】
伸縮性
- ナイロン:一般的にポリエステルよりも伸縮性が高いとされ、柔軟でストレッチ性に富んでいます。この特性によりナイロン製品は体にフィットしやすく、動きやすい衣類やスポーツウェアに適しているといえます。
また、低温で硬くなりにくいのも特徴です。 - ポリエステル:こちらも伸縮性がある素材ではありますが、一般的にナイロンほどの柔軟性や伸縮性は持っていません。 ポリエステルは耐久性や形状保持性に優れており、縮みにくい特性があります。
【勝者:ナイロン】
耐熱性
- ナイロン:耐熱性が低く、120℃を超えると縮み140℃になると溶ける可能性があります。
- ポリエステル:比較的高い耐熱性を持ちます。ナイロンよりも耐熱性が高く、乾燥機の温度や転写プレス加工時の温度を高く設定することができます。150℃くらいまでは縮むことなく熱に耐えられると言われています。
【勝者:ポリエステル】
耐火性
- ナイロン:一般的に自己消火性が低くとても燃えやすい素材です。
- ポリエステル:ナイロン同様に自己消火性が低く、燃えやすい素材です。
対して、圧倒的に熱に強いのは綿素材です。火を使う現場、例えば飲食店の料理人が着るコックコートなどは綿素材のものが一般的で、ナイロンやポリエステルを使った製品は多くありません。また、できる限りナイロン・ポリエステル製品の着用は避けるべきです。
【判定:引き分け】
吸水性と乾燥性
- ナイロン:吸水性が高く水を吸収します。乾燥性も高く、素早く水分を放出し乾きやすい特徴があります。
- ポリエステル: ナイロンに比べると吸水性が低く水をあまり吸収しません。湿気を含まないため濡れても乾きやすい、乾燥性に優れた素材です。
ポリエステル製品は吸水性の低さを補うため、繊維を細くして毛細管現象を起こすことで水分の吸収力を高めています。
【吸水性 勝者:ナイロン】
【乾燥性 勝者:ポリエステル】
耐候(対光)性
- ナイロン: 耐光性が低く、紫外線にさらされると劣化しやすい傾向があります。
- ポリエステル: ナイロンよりも耐光性が高く、紫外線に対しての変色耐久性が高い性質があります。
【勝者:ポリエステル】
耐摩擦性
- ナイロン:耐摩擦性が高く、摩擦に強い特性を持ちます。
- ポリエステル:綿と比べた場合にはナイロンと同様に高い耐摩擦性を示しますが、ナイロンの方がより摩擦に強いと言われています。
【勝者:ナイロン】
洗濯堅牢度
一般的にはナイロン・ポリエステルとも綿と比べると洗濯堅牢度が高く色落ちしづらい素材ですが、ナイロンの方がポリエステルよりも洗濯耐久性が高いと言われています。
濡れた状態での摩擦に対する堅牢度(湿摩擦堅牢度)も強い特性があります。
【勝者:ナイロン】
お手入れのしやすさ
ナイロン、ポリエステルとも皺になりにくく、洗濯やお手入れが比較的簡単です。
【判定:引き分け】
製品の用途
- ナイロン:高い耐久性や耐摩擦性に加えて吸水性や速乾性にも優れるため、水着、アウトドアウェア、スポーツウェア、バッグ、ストッキングなどに適している。
- ポリエステル:耐久性と耐摩擦性があり、Tシャツ、ポロシャツ、肌着などの一般衣料、寝具、アウトドア用品、カーペットなどに適している。
以上となりましたが、如何でしたでしょうか。
ナイロンの良さとしては、やはり耐摩擦性、堅牢度、引っ張りや引き裂きに対する強度が高いという点です。
そこでナイロンを使っている弊社の取り扱い商品をご紹介します。
SLOTH ST1105 コーデュラTシャツ
防弾チョッキなどにも使用されている高い強度のコーディラナイロンを40%編み込んだ素材です。
AL-0022 スクラブ[兼用]
ワッシャ―加工を施したナイロン100%の生地を使用したスクラブ。
動物病院向けに企画された商品で、動物の爪に(特に猫の爪に)引っかかれても大丈夫なスクラブです。
一般的なスクラブはポリエステル素材が多いため、猫の爪に引っかかれると生地の表目に傷が付いてしまいますが、
このスクラブを上に羽織って処置をすれば、お気に入りのスクラブが引っかかれて傷付かずにすみます。