オリジナル刺繍の豆知識【刺繍型(パンチ)編2】
2018.09.17
刺繍の型を作成する上で、基本となる刺繍の打ち方をご紹介します。
以下の2つの刺繍画像ご覧ください。
同じデザインですが、若干違った出来上がりになっていることがお分かりになりますよね。
同じデザインですが、刺繍の打ち方が違います。
【左側画像】打ち方:サテン打ち
サテン打ちは文字など、一定の幅のある線を表現する場合に使用します。
打ち進める方向に垂直に針を動かし、線の幅が打ち込みの幅となります。
そのため、あまり太い線の場合、糸が浮いてしまい使用中に引っかかってしまいますので、
7~8㎜が限界の幅となります。
【右側画像】打ち方:たたみ打ち
和室の畳のような打ち方をするので、そのように言われています。
右側の刺繍については、中をたたみ打ちでその外側の輪郭(アウトライン)に縁が付いていますよね。
これによって輪郭を強調しています。
細かく言えば、輪郭の部分の細い線はサテン打ちとなっております。
プリントは、版を通してインクを落とすので、インクの違い以外は出来上がりの差があまり出ないのに対し、
刺繍は、同じデザインでもこれだけ出来上がりに違い出るということです。
サテン打ちは線の方向に沿って原則は垂直線幅に対して打ち込みますが、
たたみ打ちの場合は、自由に打つことができますので、打つ角度は幅によっても出来上がりが変わってきます。
要するに、打つ方向や幅によって光の反射が変わりますので、それによって見え方が変わるということです。
現場では、実際に、画像のような幅のある文字については、
サテンとたたみの両方で刺繍型を作成してみます。
実際に試し打ちをしてみてどちらの方が綺麗に見えるか比較してから、
採用する刺繍型を決定することがあります。
サテン打ちのみで刺繍しているデザイン
アウトラインの黒糸以外はたたみ打ちのデザイン
「次回に続く」